2020.05.13
皆様 こんにちは🐈
京大SPH健康情報学の角です。
本日は、お二人の方から寄せられた体験談をご紹介させていただきます。
お一人目は関西圏在住薬局勤務の匿名希望さんから↓
日常業務をしている中、新型コロナウイルスにいつ感染するかわからない、
私達薬局薬剤師もまた最前線で働いている医療従事者です。
もし職場で感染者が出れば、薬局を何週間と閉めなければならず、地域のかかりつけの患者さんを困らせ、余計な不安や心配を抱かせることになってしまうことになる、それはどうしても避けなければという張り詰めた思いで、日々働いていることと思います。
私自身の体験からある気づきがあり、そこから、今まさに毎日コロナ渦で頑張っている同じ薬局薬剤師へ、とても小さいことかも知れませんが、ぜひ伝えたいメッセージがあります。
4月中ば、社会人である息子が微熱・頭痛が長く続き、新型コロナウイルス感染の疑いが懸念され、
同居で超高齢の両親に感染させるのではないか、私自身、決して伝染る訳にはいかないと、
薬局運営継続の心配や不安が増幅し、
知らず知らずに息子を責めるようなことを口走り、薬局の事務員さんからある言葉にはっとしました。
「まるで警察みたいやん、犯人さがししているみたいよ。
薬局の心配するのは大切かもしれないけど、まず息子さんの身体を心配してあげるのが本当ではないん?」
「ひょっとしたら先生(私)から伝染ってるかもしれないのに、息子さんを責めたりしたら可哀想、先生がこんな気持ちになってしまうのは、このコロナのせいなのよ!ほんとにコロナって嫌!」と。
新型コロナウイルス感染の恐れと不安から、医療者に対する偏見や差別が日々報道されており、
辛く胸が痛い思いしながらも私自身、家族に対して同じことをしている、
医療提供を継続させる為という理由をいいことにして、
一番身近な家族のことの心配はおろか、逆に追いこんでいるんでは。ほんとにショックでした……。
連休明け、少し感染のピークが過ぎたように見えますが、まだまだ油断できない緊張状態が続いています。
薬局薬剤師として、感染から薬局と患者を守ること(予防)はもちろんですが、たとえ自分や家族であっても罹ったことの原因探しといったことではなく、医療従事者として、人間として、本質を見失わないように気をつけないといけないなと、改めて思い、真摯に向き合って頑張っていきたいです。
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お二人目は日本調剤小岩南口薬局の長田先生から↓
はじめまして。日本調剤小岩南口薬局(東京都江戸川区)の長田(おさだ)と申します。
このプロジェクトでは、COVID-19対策として、電話診療を推奨しています。
岡田先生は、かかりつけ薬剤師指導料を算定しているような基礎疾患のあるリスクの高い患者なら、受診予定日の前に患者に電話して、受診すべきなのか相談の電話をするよう伝えるべきだと話しています。(*1)
かかりつけ薬剤師として、患者に電話して電話診療を推奨すべきですし、近隣医療機関の医師と面会して電話診療について情報提供すべきです。確かにその通りで、文句のつけようのない正論です。しかし、実際に一人一人電話をするとなると非常に時間と手間がかかります。それに、電話診療に肯定的でない医師も中にはいます。
GW前、緊急事態宣言下にもかかわらず、私の薬局にはとても入りきらないほどの患者でいっぱいになりました。いくら私が患者のためにコロナ対策をしようと思っていても、どうしても日常の薬局業務に追われてしまい、心が折れそうな日々が続きます。
ハリウッドスターのデンゼル・ワシントンは失敗について、「失敗することがあれば過度に落胆せず、経験から得たものを周囲に分け与えるように」と勧めています。私も、諦めるのではなく、完璧にできないと受け入れ、普段からできることを見つけて一つずつ行っていきたいと思っています。
*1.日経DIオンライン あなたのかかりつけ患者さんは今、どうしていますか
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お二人の先生方、ありがとうございました
素直な気持ちを共有していただき、大変感謝しております。
自分を見失わず、真摯に、前向きに、
そして自分にできることから少しずつ焦らずに取り組んでいくことが大切ですよね。
どうかご自分を責めずに、誇りを持って、日々のお仕事に従事していただけたら幸いです。
京大SPH薬局グループ
KADO Ayumi
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