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COMPASS project

 薬局での糖尿病や高血圧などの患者に対する薬局薬剤師による介入研究で、その研究の英語名”The Community Pharmacists Assist for patients Intervention Study in Japan“からCOMPASSと名付けられた。Compassには、元々正しい進路を指し示す方位磁針という意味があり、この研究プロジェクトには「薬剤師が進む方向を指し示す」という願いも込められている。COMPASS研究は、2011年に糖尿病患者を対象として全国の90薬局で実施された。その後、高血圧患者への介入研究COMPASS-BPと自己血糖測定器をつかった介入研究COMPASS-SMBGが実施されている。    

 

 COMPASS研究では、薬剤師が糖尿病患者に積極的に関わる介入群と、HbA1c値を確認するだけの対照群で、登録患者の血糖値変化等を調査するという、本邦初となる薬剤師によるランダム化比較試験となった。この研究において、参加薬剤師は「動機づけ面接」や「情報提供用資料の使い方」を事前に学んでもらい、1回3分程度の短時間ではあるが、糖尿病患者に対し情報提供や言葉かけを実施した。その結果、対照群と比較して薬剤師が積極的に関わることで、HbA1c0.4%改善するという結果が得られている。

 

 岡田らは、これまでの解析結果を2012年に日本糖尿病学会、および国際学会(International Pharmaceutical Federation: FIP2012 アムステルダム)で発表し、FIPではBest Poster Awardを受賞した。同様にCOMPASS-BP研究でも、薬剤師による3分程度の情報提供であっても、介入群は対照群と比較して収縮期血圧で7㎜Hg改善することを報告した。この研究成果はカナダ高血圧学会(Hypertension Canada 2017)で発表され、2017年のTraineePoster Awardを受賞している。

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